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改正された破産手続への対応

債権者にも積極的な参加姿勢が求められている

改正破産法が施行され、破産手続の迅速化、合理化、簡便化が図られているが、債権者たる金融機関にもその影響がいくつか考えられる。たとえば事件の管轄面では、大型破産事件や関係会社等の事件につき、地元地方裁判所以外の裁判所が管轄できることになった。この点は破産者にとっては好都合であろうが、債権者側は不便を強いられる局面が多いだろう。何よりも大きな点は、従前の破産手続では債権者は原則的に裁判所や破産管財人からの通知を受けて対応する姿勢でよかったが、改正後の手続では債権者側の積極的な対応が期待されていることである。破産債権の届出に関しては、債権届出期間が定められないことがあり、その場合には、放置しておくと破産者が作成した債権表がそのまま認められることになるので、金融機関としてはこのような場合でも、原則として債権届出をしておくべきである。これによって時効の中断をすることもできる。

また、破産債権の期間内届出を失念した場合、従来は最後配当の除斥期間までは事実上追加届出が可能であったが、今後は一般調査期間経過前までに追加届出をしなければ、原則として失権するので注意しなければならない。担保権は別除権であるが、従前は担保権を行使しても回収できない額(予定不足額)を確定できない限り、別除権者は破産配当手続から除外されていた。破産の最後配当時までに担保処分が完了していなければ破産配当にあずかれなかったのであるが、それは不合理だということで、改正後は根抵当権極度額を超える部分の債権額を配当対象と認め、さらに担保権者と破産管財人が別除権の価額につき合意した場合は、予定不足額が確定したものとしてその部分の配当参加ができることになった。

一方、管財人は担保権の目的財産が破産財団の増加に寄与しないと考えるときにはそれを手続から除外できるので、担保権者がいたずらに担保処分に時間を掛けていると、その前に破産手続が終結してしまう事態が起こる。もちろん配当は受け取れない。したがって、タイムリーに担保権目的財産の処分につき管財人と交渉し、予定不足額を確定させたり換金処分の実現を図ったりすることを考えるべきであろう。このほか担保処分については、破産管財人による担保権消滅請求の制度が新設されている。駆込担保の否認等も規定が整備されたが、新たな救済融資に係る担保取得は否認の対象外となった。